(娘が年長だったときの話し)
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けん玉 |
「父の日のイベントで、特技を披露して頂くかもしれません」と言われたら普通焦りますよね。
私は、焦りました、「えっー!絶対嫌じゃっー!」ってな感じで。
仕事から帰ってきて、娘から「パパの特技って何?」とたずねられました。
どうやら幼稚園の宿題のよう。
「じゃーけん玉かな?」と、あまり深く考えずに娘にそう伝えました。
そのあと幼稚園からのお手紙を確認してみると、
父の日のイベントで特技を披露して頂くかもしれません」的なことが書いてあるじゃありませんか。
披露するって、けん玉を? 恥ずかしすぎる。
でも、他に特技を持ち合わせていないので、けん玉でいくしかない。
当日、父の日イベントのため、幼稚園に娘と一緒に登園します。
廊下には、宿題にあった他のパパさん達の特技がずらーっと張り出されていました。
どれどれーっと、いろんなパパさんの特技を見させてもらっていたら、
なんとっ!
私と同じけん玉と書いていたパパさん発見!
なんか嬉しかったですね。
いや、安心したというかなんというか。
他には、リフティングやギターやトランペットやいろいろあり、
皆さんカッコいい特技をもっています。
教室に入ると、先生から突然声をかけられました。
「今日、披露してもらえませんかー?」と。
いやーけん玉持って来てないんですよーと、さらっと流そうと思ったら、
「大丈夫ですよ、ちゃんと用意してありますから(笑)」
うそーん!
先生何笑ってるんですかー!
先生の机の上に、ちっちゃーい子供のおもちゃのようなけん玉がポツンと置いてあるじゃないですか。
まさか、これですか!?
このちっちゃおもちゃのけん玉で、技を繰り広げろとおっしゃるんですかー!
せんせーい!
とりあえず、はっはーと笑いながら先生のもとを離れ、着席。
まずは、グランドで記念撮影したり、畑に行って野菜を収穫したりしたあと、
ついに、教室にてパパさん方の特技が披露される!
(ドキドキ)
「早く終わってくれー!」そう願いながら、時間を確認すると、
あれれ残り時間が残り少なくないですか? 先生? 笑
先生から「残り時間もあと少しになってきたため、全員に披露してもらうことができないのですが」と。
(よっしゃぁぁぁあああ!)
「特技を披露してくれるパパさんいますかー?」
室内シーン。ですよ。誰も挙手しません。
だって、恥ずかしいですよね。
ですが、子供たちは、それを許しません。
「パパやってーやってー!」と、他の子供たちがパパにおねだりしまくりです。
(きゃっー!)
私の娘は、パパの思いを汲んでか、その状況を眺めていただけで、パパにお願いすることはありませんでした。
(ナーイス!家に帰ったらたっぷり見せてあげる!)
その中から選ばれたパパ数名の特技が披露されることに。
まさかそのパパさんの中に、あの、けん玉と書いていたパパさんがっ!
しかもそのパパさんは、マイけん玉を持参しているじゃありませんか。
完全に負けましたね。
世のパパさん、いつ特技を披露してほしいと言われるか分からないので、
今のうちに特技を披露する練習をしておいた方がよいかもしれませんよ。
父の日まで、たっぷり時間があります、今のうちに習得を。
私のように、娘に情けない姿を見せないためにも。